こんにちは！
カッパ室長です。
今回はヤンマガKC『雪女と蟹を食う』第8巻の見どころを紹介していきます。
※ネタバレを含むのでご注意ください。
『雪女と蟹を食う』（Gino0808）
死ぬ前に人妻と蟹を食いに行く話① pic.twitter.com/V77DVJHOZy
— Gino0808@雪蟹4巻！ (@0808gino) June 7, 2019
第8巻の見どころ（ネタバレ注意）
残されたもの
夜の海にのまれてしまった北と彩女。
朝日が昇る頃、浜辺に打ち上げられ意識を取り戻した北は彩女を探すため走り出す。
そこで北が見つけたのは波打ち際に横たわる彩女の姿だった。
彼女の頬に触れるがすでに冷たく、まさに雪女のよう。
とにかく彩女を車に入れ寝かさた北だが、病院に行くべきか警察に行くべきか、どこに行きどうすればいいのか分からず焦ってしまう。
そんなとき、北は彩女の荷物の中からノートと旅行の計画表を見つける。
ノートには彩女のこれまでの壮絶な人生の一端が記されていた。
元教師との結婚で勘当同然で実家から東京へ出てきたこと
手段を択ばずに生活費を稼いだこと
支えてくれる人間が側にいないこと
旦那の周りに女の影が絶えないこと
育てた花を見てもらえないこと―
そして最後のページには、
「私がどうして自ら命を絶ったのか 一生 考え続けてくださいね」
という夫への呪いの言葉が綴られていた。
ノートを読み終えた北は、「このノートを必ず届けなければ。そして必ず 一発……殴ってやらないと」と心に決める。
そして北は彩女と添い寝状態になり言うのだった。
「彩女さん…まだ…蝉が鳴いてるよ。
彩女さんの身体が腐るまで…夏が終わるまで2人の旅を続けよう…
そして蝉が鳴かなくなったら
オレも全ての償いをして其方へ行くから…
もう少し待ってて」
旅の終わりへ
北は日記と共に残された雪枝夫妻の旅行計画表を使って雪枝一騎を探し始める。
四季彩の丘へ着いた北はそこで旅の途中で訪れた加茂水族館で出会った少女と再会する。
そしてあのとき少女にあげた彩女に渡すはずだった指輪を返してもらう。
その後、富良野ラベンダー園に着いた北は彩女に先ほどの指輪をつけ、園内へ向かう。
そして北はついに雪枝一騎を見つける。
「雪枝…一騎だな。
…アンタの奥さん死んだよ。
アンタが…彼女を裏切って旅行に行かなかったからだ。
あんなに…可愛くて…綺麗で優しくて…
アンタのことを死ぬまで想い続けていたのに…
どうしてアンタは！
近くに咲いている花を見てやらなかったんだ！」
しかし雪枝一騎は北に対して「五月蠅いやつだ。お前に夫婦の何が分かる？部外者が」と冷たく返してくる。
その態度に北は激怒し雪枝一騎の胸ぐらを掴んで殴りかかる。
そんなとき、死んだと思われていた彩女が目を覚ますのであった。
感想
今回でついに最終巻。
長いようで短かった逃避行も終わりの時がやってきました。
前回夜の海に身を投げる彩女さんを止めることができなかった北。
見つけた時は彩女さんは冷たい状態になっていて、北は彩女さんが死んでしまったと思ってしまいます。
そして彼女の日記を読み、雪枝一騎に会いに行き、すべてを終わらそうとします。
「オレのことは「好き」で旦那のことは…」というセリフ、呪いの言葉と書かれていましたが、やはり彩女さんは雪枝一騎のことを愛していたんですね。
ここにきて旅の途中で買った指輪が戻ってきて彩女さんの薬指にはまるのが本当に感動しました。
旅の終わりが彩女さんが見たいと思っていた四季彩の丘で、そこで彩女さんが涙を流して自分の苦しみを打ち明けるところは最高でしたね。
さらにここで再び北が彩女さんに、今度は自分があなたに花を見せてあげると言って、一緒に生きようとプロポーズ。
それに対して彩女さんの「一緒に死んでくれる？」というセリフがまた良いんですよね。
今までの「一緒に死んでくれる？」は心中しようという意味だったのに、今回のは死ぬまで一緒に生きましょうという意味なのが本当に素晴らしいしグッときますね。
そして最後の最後に北の本名が明かされるのが本当にオシャレ。
雪女である彩女さんの心を溶かすのはやはりこの男だったんだなと思わせてくれます。
2人の旅が本当に良いもので終わって、よかったなと思いましたね。
エピローグでは2人のその後が描かれていて、これからも2人で幸せに暮らしてほしい気持ちになりました。
人生に辛くなったとき、寂しい気持ちになったときにまた読み返して、生きることは素晴らしいと思わせてくれる作品でした。
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おわり
