サスペンス

【罪と罰のスピカ 第1巻 あらすじと感想】超能力女子高生が理不尽な世の中に成敗を下す!ダークヒロイン・サスペンス!!

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カッパ室長です。

 

今回は月マガ基地で連載中の漫画罪と罰のスピカ』の第1巻を紹介させていただきます。

 

『親愛なる僕へ殺意をこめて』『降り積もれ孤独な死よ』の井龍一先生の最新作です!

 

※ネタバレを含むのでご注意ください。

 

罪と罰のスピカ

原作:井龍一
漫画:瀬尾知汐

どんな内容?第1話のあらすじ(ネタバレ注意)

心が見える少女が罰を下す

普通の高校で、凡庸な生活を送る教師・羽鳥

ある日、羽鳥は担任する生徒・都麦つむぎ澄光すぴかがいじめに遭っている事に気づいてしまう。

雨の帰り道に偶然澄光と二人きりで雨宿りすることになり、羽鳥は澄光にそれとなくいじめについて訊ねてみることにした。

すると澄光は色恋沙汰に巻き込まれてクラスの女子・向井からいじめに遭っていることを明かした。

羽鳥は「この件は必ず先生がなんとかするから!」と澄光に言うが、澄光は「あ 大丈夫です。私慣れてるんで!」と爽やかに返してくる。

さらに澄光からなぜ教師になったのかと問われ、羽鳥が「親もその親も教師だったから自然と興味をもったのかも」と答えると、澄光は羽鳥の手を握り「羽鳥先生って嘘つきですねぇ」と不敵な笑みを浮かべるのであった。

『罪と罰のスピカ』第1巻 P20,21より

 

翌日、羽鳥は向井から「都麦さんが大人の男性と密会している」と報告を受ける。

冗談だと思っていたが、澄光が大人の男性と腕を組んで歩いている現場を目撃してしまう。

澄光たちの後を追う羽鳥は、このまま見なかったことにするか?と考えたが生徒の問題をこのまま見過ごすわけにはいかない!と立ち上がり澄光のもとへ近づこうとする。

だがその瞬間…

電車が到着するホームで澄光が一緒にいた男性をホームに突き落とし、男性が電車に轢かれるところを目の当たりにしてしまうのであった。

感想

この作品は超能力を持ったヒロインが理不尽な世の中に罰を下していくダークヒロイン・サスペンスとなっています。

 

第1話を読んだときはこの物語は不思議なヒロイン・澄光によって平凡な教師・羽鳥の人生が狂っていく感じなのかな?と思っていました。

しかし第3話まで読んでそれが大間違いだったことに気づいたときの衝撃は凄かったですね。

この物語は澄光が警察に捕まることなく日常を過ごしている極悪人たちに罰を下していくというもので、主人公だと思っていた羽鳥も澄光に成敗される殺人犯だったのです。

ずっと羽鳥目線で物語が進んでいたから主人公なんだと思い込んでました。
見事に騙されてしまいました。

 

最初に羽鳥は普通の高校で凡庸な生活を送る教師とか説明されていたけど、羽鳥はそんな人物では一切ありませんでしたね。

10年前、羽鳥は教育実習生だった時に留田アンという女子生徒を殺していました。

しかもその動機は「面倒くさい」から。

イジメを見て見ぬふりをしていたことを周りにバラし就職できなくしてやると留田に言われた羽鳥は「コイツ面倒くさいな」と思い留田を殺してしまったのです。

普通にサイコパスな奴でしたね。

そして今回も羽鳥は向井と口論になり、「面倒くさい」という理由で向井を殺そうとしています。

最初向井が学校を休み始めたのは澄光のせいだと思っていたのですが、そこもミスリードで羽鳥に監禁されていたから学校に来なくなっていたんですね。

 

どうして澄光は羽鳥が殺人犯だと知っていたのか。

それは澄光が触れた相手の心が見える能力を持っているからでした。

澄光は相手に触れるだけで相手の本音だけでなく、過去のことまでも見えてしまうそうです。

『罪と罰のスピカ』第1巻 P150,151より
恐ろしい能力ですね。

これは澄光が望んだときだけ発動する能力なのか、触れたら自動的に見えてしまうのか、どっちなんでしょうね?

後者だった場合、人に触れるだけで膨大な量の本音や過去を見ることになってしまうから精神的にキツそうです。

今澄光がこの能力を使いこなして普通に生活できているのはかなりの努力が必要だったのではないでしょうか?

 

もちろん澄光がホームで突き落とした男性も過去に罪を犯していました。

澄光がなぜ罰を下しているのか、それは澄光曰く「ボタンの掛け違い」だそうです。

目の前にシャツのボタンを掛け違えている人がいて、見て見ぬふりをするのが気持ち悪いから自分が直しているとだけだと言います。

『罪と罰のスピカ』第1巻 P106,107より

要するに澄光は目の前に過ちを犯した人がいて罰せられていないのが気持ち悪いから自分が罰しているということのようです。

そんな理由で行動できている澄光も相当サイコパスな感じがしますね。

あと、澄光は極悪人たちを殺すけれど遺書などを残し自殺したように見せかけていて、見た目に反して頭の回る子なんだなと思いました。

 

羽鳥もそんな澄光から罰を下されました。

羽鳥は向井を硫酸で溶かそうと考え、まず愛猫を実験に利用しているのが本当に気持ち悪かったです。

それらも澄光に“見られ”、また口封じで澄光を殺そうとしているのも往生際が悪すぎでした。

心が見える澄光に毒を盛るなんて出来っこないのに…

結果、自分がその毒を飲んでしまい澄光に命乞いをするのですが、その時の心も全然反省していなくて、やっぱり性根が腐っている奴って最後まで治らないんだなと思ってしまいました。

 

犯人じゃなさそうな人が実は犯人でしたという展開も凄いし、そんな犯人を澄光が追い詰め罰していくのがとても面白いです。

 

次回は13年前の未解決事件を追う年配のベテラン刑事とのお話になるようです。

ドーナツ屋でアルバイトをする澄光がベテラン刑事に触れて、この未解決事件の真相に迫っていく感じになりそうですね。

はたしてベテラン刑事が追っている男が犯人なのか。

それとも別に犯人はいるのか。

そして澄光はその犯人をどう追い詰めていくのか。

次の巻が待ち遠しいです。

井龍一先生の他の作品紹介

『降り積もれ孤独な死よ』

富字山南警察署の刑事・冴木仁は空き巣の通報を受けて、とある屋敷へ。

ところが、調べを進めていく中で、衝撃の事実が判明。

捜査陣に戦慄が走る。

血塗られた狂気と対峙する刑事を描く、激情と慟哭のノワールサスペンス、開幕。