カッパ室長です。
今回は少年チャンピオン・コミックスの漫画『白蛇のはなむこ』の第1巻を紹介させていただきます。
※ネタバレを含むのでご注意ください。
『白蛇のはなむこ』
著者:よしだもろへ
どんな内容?(ネタバレ注意)
執着絡みつく、和風偏愛ファンタジー
不運体質の男子高校生・新妻椿。
彼は美人で文武両道、一学年年上の幼馴染・月吉咲陽に片思いしていた。
不運体質のせいで周りの人を巻き込んでしまうため椿は友達を作らないようにしているが、咲陽はそんな椿を守るため昔からいつも一緒にいた。
椿は毎日神社に祀られている傷だらけの狛へび像を拭いて磨いていた。
この日も椿はいつものように狛へび像を磨き、咲陽と一緒に帰宅していると二人は通り魔に襲われてしまう。
通り魔に刺され倒れ込む咲陽であったが、突然何事もなかったかのように起き上がり「ついに手に入れた 人間の骨身 ヒトの言葉 女の子宮…」と笑みをこぼす。
さらに咲陽は椿に「おれの真名は「白夜」。神の使いである白蛇。神使の白夜だ。」と言い出す。
そして白夜と名乗る咲陽は通り魔の男を逆に殺してしまうのであった。
白夜は咲陽に成り代わり椿と結婚しようとしている。
椿は咲陽を取り戻す方法を探し始めるが…
感想
この作品は古都京都を舞台とした幸運の白蛇と大禍憑きの少年、そして謎を抱えた幼馴染による成り代わり偏愛譚です。
咲陽に取り憑いた「白夜」と名乗る白蛇は椿がいつも磨いていた狛へび像らしいです。
だから自分のことを大事にしてくれた椿のことが好きで結婚しようとしているんですね。
もしくは咲陽の記憶にあった「夫婦になる約束」を守るために結婚しようとしているのかも。
ですが、椿の好きな相手はあくまで咲陽。
いくら咲陽の見た目でも椿は白夜と結婚はできないと拒否しています。
この椿の気持ちがこの先二人一緒に過ごしていくことによってどう変化していくのか楽しみですね。
白夜にはまだ謎も多いです。
なぜ自分がいた神社を嫌うのか。
ねずみのことを嫌っていたし、白夜は神社にいた他の狛ねずみたちからいじめられていたのかもしれません。
冷水紫雫に取り憑いていた“先輩方”というのが白夜のことを「おもちゃ」と呼んでいたし、何かあったのは間違いなさそう。
なぜ白夜は“先輩方”からおもちゃ扱いされているのか。
蛇はねずみを食べるし、普通だったらねずみのほうが弱い立場にありそうですよね。
彼らの関係性が気になります。
そして一番気になるのが咲陽です。
冒頭から彼女は自分が死ぬことを知っていて、本当に通り魔に刺されて死んでしまいました。
なぜ彼女はこのことを知っていたのか。
何か特別な力があったのかもしれません。
だから自分が死んだ後も椿を守れるように白夜と交渉し体を渡すことができたのかも。
咲陽といつも一緒にいた椿ですが、咲陽について知らないことが多いようです。
咲陽が破廉恥な漫画を読んでいたこと、咲陽が椿とまぐわりたいと思っていたこと。
他にも生徒会や部活動をいやいやしていたことなど。
なぜ嫌なのに生徒会や部活動をしていたのでしょうね?
これらは後々白夜から理由を教えてもらえるのかもしれません。
一体咲陽は何を考えていたのか。
今後も咲陽の秘密が物語のキーになっていきそうですね。
まだ物語は始まったばかりで謎だらけ。
これから椿と白夜の関係はどう進展していくのか。
そして咲陽を蘇らせることができるのか。
続きが気になります。
よしだもろへ先生の他の作品
『あさこ』
『僕はお姉ちゃんのおもちゃ』
原作:よしだもろへ
漫画:柚木涼太
『いなり、こんこん、恋いろは。』
おわり