カッパ室長です。
今回はマンガUP!で連載中の漫画 ガンガンコミックスUP!『あなたのお城の小人さん ~御飯下さい、働きますっ~』第2巻の見どころ紹介と感想を書かせていただきます。
※ネタバレを含むのでご注意ください。
第1巻の紹介記事はコチラ↓↓

『あなたのお城の小人さん ~御飯下さい、働きますっ~』
原作:美袋和仁・п猫R
漫画:栗原一実
第2巻の見どころ(ネタバレ注意)
小人さん出生の秘密…
国王陛下の弟であるロメールに千尋が王家の子であることがバレてしまい、ドラゴ邸で説明をすることに。
この城の中で秘密裏に産み育てるなんて難しいことができるのか?と疑問を抱いていたロメールだったが、ドラゴの説明を聞き納得する。
千尋は2年前の第8王女と第2王子が生まれた時と同時期に生まれ、後宮は赤子の声で満ちていたため千尋の存在に気づけなかったのだ。
そしてドラゴは「なぜ王家に知らせなかった?」というロメールの問いに対し、王宮には千尋の死を望む者がいると考え自分の娘にすることにしたと答える。
ドラゴの覚悟と家族の絆を目の当たりにしたロメールは千尋をドラゴ達から引き離すことはせず、彼女が幸せに暮らせるように協力することを誓うのであった。
一方その頃、国の辺境では千尋を置き去りにしたメイド・シリルたちがある話し合いをしていた。
それは王族である千尋を祖国へ連れ帰る計画が失敗したという内容だった。
お城を抜け出す小人さん
森の主クイーン・メルダからもらった蜂蜜を使って千尋は甘いお菓子を作り始める。
それはロメールやドラゴを驚かせるほどの美味しさで、城の騎士たちも千尋のお菓子の虜になってしまった。
その後、千尋は騎士団長ハロルドからのお願いで定期的に騎士団に「小人さん印のお菓子」を販売するようになった。

そして彼女は稼いだお金を持ってお城を抜け出し、初の異世界観光を楽しむことに。
秘密裏に千尋を警護していた騎士たちは千尋を見失い大パニック状態。
そんなことは知らない千尋は地図を買い、ある場所へと向かうのであった。
感想
第2巻では千尋の出生の秘密が明らかになったり、蜂蜜を使った甘いお菓子を作ったり、そしてそのお菓子で孤児院を救うお話などが描かれました。
まずは千尋の出生の秘密から。
メイドのシリルの話からファティマ(千尋)は第2王子と一緒に生まれた双子だったことが明かされました。
そしてシリルは別の国の人間で、10年もの間フロンティア国に潜伏し、王族を攫い祖国に連れ帰ろうと計画を立てていました。

彼女の故郷は魔法が使えず貧しい暮らしをしていたため、王族を攫い魔法を手に入れて祖国を救おうと考えていたようです。
ファティマはその計画の標的にされてしまったのですね。
連れ帰る方法は医師を殺害し、双子ではなく一人しか生まれなかったことにしてファティマの存在を隠し、城の外で暴動を起こし、その騒ぎに乗じてファティマを城から連れ出すというものでした。
しかし計画は失敗しファティマをあの部屋に置き去り状態にしてしまったのです。
その後ファティマの意識は死んでしまい、代わりに千尋の意識が表面に出てきて現在に至るという感じです。
ということで、千尋は国王夫妻が自分を捨てたと思っていますが、実際は国王夫妻はこの件には何にも関わっておらず、勝手に悪者扱いされているんですよね。
千尋はこの勘違いにいつ気づくのか、それとも気づかずにそのままこの件は終わってしまうのかも…
あとシリルたちは今もファティマは死んだと思っているようですが、生きていると知ったら再び連れ去ろうと行動を起こすのかな?
でももうロメールなどの王族にも千尋の存在は知られているし、連れ去ることは難しいでしょうね。
ロメールによって国王陛下を上回る体制で護衛されることになった千尋。
しかし千尋本人はそのことに気づいておらず、自由気ままに行動していきます。
そのせいで騎士たちやロメールの心労が絶えないのがちょっと面白いですね。
千尋がお城を抜け出したせいで騎士たちが必死に街中を探し回っているのに、当の本人は「騎士団も大変だなぁ。治安維持ご苦労様だね。」と他人事なのは笑ってしまいました。

あとこの時のぴょこっと顔を出して見ている時の千尋がメチャクチャ可愛かった。
千尋はクイーン・メルダからもらった蜂蜜でクッキーやクレープ、ケーキなどの甘いお菓子を作っていきます。
どれも現代では一般的なお菓子ですが、この世界では甘味料自体が珍しいこともあり、みんな初めてお菓子を口にした時の衝撃が凄かったですね。
騎士団の人たちが血相を変えてお菓子を買う姿はちょっとみっともない感じで面白かったです。
最初は騎士団だけに内々で販売していましたが、騎士の一人が口を滑らせ噂が広まってしまったことをきっかけにきちんと組織立てて売り出すことにしていきます。
そして千尋は街の孤児院を「小人さん印のお菓子」の出張販売所として選びます。
この孤児院は教会との対立により街から無いものと扱われ、貴族からの寄付もなく貧しい暮らしをしていました。
そこで千尋はここで「小人さん印のお菓子」を作って売ることで孤児院を救済しようと考えたのです。
お菓子作りの人手を確保するだけでなく、孤児院の問題までも解決してしまうなんていきなり凄いことし始めますね。
あと千尋が貴族だからといって、こんな2歳児の話を信じる孤児院の院長さん人が良すぎます。
この孤児院のお話は本当に感動して読んでいてうるっときてしまいました。
孤児院の少年ザックは街の人が売れ残りや形の悪い野菜ばかり置いていき、ここをゴミ捨て場にしていると最初は怒っていましたが、千尋に言われて街の人は自分たちの生活も苦しい中で孤児院を助けてくれていたことに気づきます。
ここで八百屋のおっちゃんが無愛想ながらも出張販売所を手伝っているのがまた良いんですよね。
そこから他の街の人達も販売を手伝ってくれて、ここの街の人達メチャクチャあったけぇと感動しちゃいました。
そして見るからに悪者な教会孤児院の院長がしっかりと罰せられる終わり方もスカッとして良かったですね。
ザックは助けてくれた千尋や街のみんなに恩返しがしたいと言ってパティシエを目指すそうです。
次回はついに国王陛下が千尋の存在を知ることになるようです。
はたして千尋と国王陛下の関係はどうなっていくのか。
続きが楽しみですね。