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【霽雪のニルヴァーナ 第1巻 あらすじと感想】生と死、人と鬼、生命の循環を描く、中世アジアン・ファンタジー

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カッパ室長です。

 

今回はシリウスKCの漫画霽雪のニルヴァーナ』の第1巻を紹介させていただきます。

 

※ネタバレを含むのでご注意ください。

 

霽雪せいせつのニルヴァーナ

著者:松下 朋未


どんな内容?(ネタバレ注意)

少年は大事な人の仇をとるため鬼導師に

中世東アジア風の世界。

孤児のツェリンは盲目の薬師セツアに育てられ、山奥で平和に暮らしていた。

赤ん坊の時に拾われずっと一緒に暮らしているツェリンだが、セツアについて知らないことばかりだった。

なぜセツアは門の外に出られないのか。いつも首に巻いている布は何を隠しているのか。

ツェリンはいつかセツアを外に出してあげたいと思っていた。

ある日、薬草を採りに出かけたツェリンは人々に災禍を招くといわれる穢れた化け物“刹鬼ツァイに襲われ、謎の鬼導師ユイリに助けられる。

『霽雪のニルヴァーナ』第1巻 P22,23より

鬼導師きどうしとは刹鬼の魂の穢れを浄め刹鬼を苦しみから救う、国にとって重要な役職だという。

助けてくれたお礼にとツェリンはユイリを屋敷へ招くことに。

するとユイリはセツアを見て“咎人のセツア”と呼び、セツアもユイリを追い出してしまうのであった。

そしてその夜、ツェリンがユイリを屋敷に招いたことで刹鬼が屋敷に侵入してしまい、セツアはツェリンを庇って殺されてしまう。

ツェリンはセツアを殺した刹鬼に復讐を誓い、この世の刹鬼を一匹残らず救う(殺す)ため鬼導師になるべくユイリと行動をともにすることに…

感想

この作品は生と死、人と鬼、生命の循環を描く、中世アジアン・ファンタジーです。

中世アジアンということなので、この世界は中国っぽい雰囲気があります 。

タイトルの「霽雪」もそうですが、「氣」や「濟」、「儕」などの難し漢字がたびたび出てくるのも中国っぽさがありますよね。

 

物語は主人公が大事な人を刹鬼に殺され、刹鬼に復讐するため、刹鬼のいない世の中にするため鬼導師になる旅へ出るというもの。

王道な展開ですね。

 

第1巻はまだ導入ということで謎なところが多いです。

まずはツェリンを育ててくれたセツアがなぜ咎人になってしまったのかというところ。

ユイリはセツアが鬼導師になる前に逃げたと言っていましたが、なぜ逃げてしまったのか。

この理由が今後重要になってきそうな気がしますね。

 

敵である刹鬼にも分からないことがあります。

最初ツェリンを襲ってきた刹鬼やユイリが救った刹鬼と、セツアを殺した刹鬼や第1巻の最後に登場した刹鬼はだいぶ雰囲気が違います。

『霽雪のニルヴァーナ』第1巻 P58,59より

前者は本当に化け物みたいで、後者の方は人間味がありました。

この違いは何なのか。

ユイリと一緒に行動している刹鬼も味方のようですし。

刹鬼にも様々な分類があって全てが敵という訳ではないのかもしれません。

そうなるとツェリンの言う「一匹も刹鬼のいない世の中」は作るのは難しそうですね。

第1巻の最後に登場した刹鬼もツェリンの味方になるような気がするし、物語が進むにつれてツェリンの刹鬼に対する想いが変わっていくのかもしれないですね。

 

あとツェリンは何か不思議な力を持っているようです。

これは主人公あるあるですね。

見た感じではツェリンの手は触れた《氣》を喰うことができ、また喰った《氣》を放つことができるようです。

これはかなり強力です。

相手の攻撃や防御を無効化し、それを自分で使えるのですから。

ですが今はまだ本人の意思で使うことは出来ていない様子。

今後修行して使えるようになっていくのかもしれませんね。

一体なぜツェリンはこのような力を使えるのか。

ツェリンは孤児でどこで誰から生まれたのかも分かりません。

このあたりが不思議な力の正体を知る鍵になってきそうな気がします。

楽しみですね。

 

まだ物語は始まったばかり。

これからツェリンにどのような困難が待ち受けているのか。

第2巻が楽しみです。

 

おわり