「今までの生活全部捨てる気はあるか?」
皆さんはそう言われて捨てることはできますか?
全部捨てて心機一転新しい生活をするのも悪くない気がします。
現在の生活に疲れてしまっている方に今回の漫画はぜひオススメです。
読んでいるうちに優しい気持ちにさせてくれる潮風薫るリラックス・ドラマです。
『やさしいヒカリ』(中村ひなた)
どんな内容?
すべてを捨て、新たな地へ
都会で仕事に追われる生活を続けていた青年・三宅飛鳥は体調不良でも休ませてくれないブラックな会社に向かう途中、駅で倒れる事態に。
これに限界を感じ、三宅は会社を辞めてしまいます。
次の就職先について相談していると、友人から「今までの生活全部捨てる気はあるか?」という言葉をかけられます。
友人の実家の近くの郵便局がなくなり、簡易郵便局を作るため、そこの局長をしてみてはどうかと勧められます。
そして三宅は友人の実家がある月輪島の小さな町で新たな一歩を踏み出します。
僕が本当にやりたいことは…
三宅はオーナーの家の空き室を借り、綿里家と一緒に暮らすことになります。
そこで配達のアルバイトをしている女子高生・綿里日和子(ひよこ)に出会います。
久しぶりに手料理を誰かと一緒に食べたり、日和子たちと過ごす穏やかな時間に新鮮さを感じる三宅。
しかし、三宅はまだ前の仕事を辞めたことが本当に良かったのか悩み続けていました。
そんなとき、東京で面接をしていた会社から採用の連絡が来ます。
東京のほうが給料はいいし、友達にもすぐ会える。
悩む三宅を見て日和子は「三宅くんの代わりはたくさんいるんだよ!…だからここに残らなきゃとか責任感じる必要はまったくない」と背中を押してくれます。
日和子の言葉を聞き、三宅は自分が本当にやりたいことは何かを考えます。
翌日、三宅は「自分がやりたいと思うことをやりたい。ここでの仕事は楽しくなる気がするんです」とこの町で局長になることを決意します。
穏やかに時間が流れる月輪島で三宅は自分が本当にやりたいことを模索し始めます。
ここが魅力的!
この作品はストーリーや絵、セリフすべてから優しい気持ちにさせてくれます。
モノクロなのにあたたかく、色があるように感じてしまうほどです。
本当に仕事を辞めてよかったのか悩む三宅に間違ってないと思うと言ってあげる日和子。
言ってほしい言葉を誰かに言ってもらえると本当にうれしい気持ちになりますよね。
三宅も日和子もそれぞれ悩むこともありますが、周りの人たちの言葉によって支えられていく感じがとても良いです。
これから三宅は月輪島での生活で何を感じ、何を得ていくのかとても楽しみな作品です。
ほっと優しい気持ちになりたいとき、今の自分に悩んでいる方にぜひ読んでもらいたいです。
おわり