カッパ室長です。
今回は漫画 ヤングジャンプコミックス『ゆぴ太の恋人』第4巻の見どころや感想を書かせていただきます。
※ネタバレを含むのでご注意ください。
第3巻の紹介記事はコチラ↓↓
『ゆぴ太の恋人』
著者:谷ま乃ゆり
YouTube“ヤンジャン漫画TV【集英社ヤングジャンプ公式】”
第4巻の見どころ(ネタバレ注意)
いおの正体に気づいた菫。しかし…
黛菫の担当編集者の中野有伽は8年前に佐藤いおに漫画の読み方を教えたのが菫であることに気づく。
そしていおにゆぴ太を教えたのも自分であったことを思い出すのであった。
年が明け、菫と打ち合わせをしていた中野はいおの誕生日が明後日であることを菫に教える。
菫はこの誕生日にいおに自分がいおの大好きな作家「ゆぴ太」であることを明かそうと考えた。
家にいおを招き、手作りのケーキにはデコペンで描いたいおの似顔絵。
この絵を見てゆぴ太であることに気づいてもらおうとした。
結局ケーキの絵のことには触れられなかったが、その後菫といおは体を重ねていく。
その時、菫はいおの身体に彫られてある「りず」のタトゥーに違和感を覚える。
いおのタトゥーのりずは“今”のりずにはない黒い角が描かれていたのだ。
それを知っているのは自分と当時の担当、それと8年前に出会った少女だけ…
目覚めるといおの姿はなく、いおは402号室からも退去していたのであった。
感想
今回で崖っぷち漫画家×イケメン編集者×魅惑の隣人の三角関係ラブサスペンスは完結となりました。
あっという間でしたね。
第4巻では中野も菫も8年前に3人が図書館で出会っていたことを思い出します。
中野はいおのおかげで菫(ゆぴ太)にファンレターを送るようになり、いおは中野のおかげでゆぴ太の作品を知るようになり、そして菫はいおと中野のおかげで漫画を描き続けることができていました。
知らず知らずのうちに3人がお互いに影響を与えて今の関係が出来上がっていたんですね。
そしていおの誕生日へ。
菫はいおに自分が「ゆぴ太」であることに気づいてもらおうとしていて、いおもまた菫に自分は8年前の女の子だということに気づいてもらおうとしていました。
お互い口で伝えればこの後のようなことにはならなかったのかもしれませんが、それだといお的には納得いかなかったんでしょうね。
だからいおはあえて名乗り出ず、菫が忘れられない登場人物になり、それから同じように姿を消し、自分と同じ気持ちを味わわせたんですね。
最初見たときは何を企んでいるんだろうと思っていましたが、この計画のために動いていたんですね。
確かに忘れることのできないくらいインパクトのある登場人物になっていました。
菫が姿を消したいおに向けてどう気持ちを伝えるのかな?と思ったら漫画で伝えるという漫画家らしい方法を使っていて凄いなと思いました。
気持ちを伝えた菫は見事いおと再会を果たします。
そして漫画ではなくちゃんと口でも気持ちを伝えていました。
「俺のファンじゃなくて 黛菫の恋人になって欲しい」と。
これまでは「ゆぴ太の恋人」でしたが、最後の最後にいおは「黛菫の恋人」になることができました。
これでハッピーエンドだなと思ったのですが、二人が抱き合った時のいおの裏の気持ちが描かれたのがちょっと怖かったですね。
「この人は私のものになった」「もう私を忘れられない」「私を手放さない」
これを読むと最初から最後までいおの計画通りに物事が進んでいたのかもしれません。
最後の最後にサスペンスっぽくってゾクッとしましたね。
純愛のような、しかし彼女の掌の上で転がされているような不思議な恋愛だった気がします。
最初謎の多かったいおも徐々に謎が明らかになっていき、また菫や中野などの繋がりが明らかになっていくのがとても面白い作品でした。
谷ま乃ゆり先生の次回作も期待して待っていようと思います。