こんにちは!
恋愛漫画大好き、カッパ室長です。
今回は週刊ビッグコミックスピリッツの『パッカ』第4巻を紹介させていただきます!!
※ネタバレを含むのでご注意ください。
『パッカ』第4巻の紹介記事はこちら↓↓
『パッカ』(今井大輔)
河童になった高校生、初めての帰宅。【1/4】 pic.twitter.com/I6s7tDHaDE
— 今井大輔「パッカ」4巻発売中 (@dice_k_imai) January 1, 2021
前回までのお話
水泳部の夏合宿とともにケイを人間に戻すための計画も進んでいく。
合宿二日目にケイはサキからずっと好きだったと言われる。
そしてケイは今自分はサキよりもシズクこのことが好きなのだと気づくのであった。
両想いになれたケイとシズク。
しかしシズクはケイを人間に戻したら河童の里に帰ろうとしていた…
第5巻の見どころ(ネタバレ注意)
秘密がバレた
ケイはその夜、夢を見た。
そこには若き日のシズクのおじいさん・セイジとシズクの母・イズミがあった。
これは知古魂に宿った記憶。
セイジとイズミは愛し合い、セイジは一緒にいようと言ったが、イズミは異種族間ではずっと一緒にいることはできないと言ってセイジのもとから去ってしまった。
そして目覚めたケイの顔は河童化していて、起こしに来た部員たちに見られてしまう。
さらにケイにシズクの不安や恐れなどの感情が流れきたと同時に女子棟から悲鳴があがった。
ケイはタマキからシズクがいなくなったことを聞き、シズクを探しに走り出す。
河童であることがバレてしまったシズク。
逃げ出したが、渇きがひどく足に力が入らず女子トイレに身を潜めた。
こわい、つめたい、さみしい…
ケイに会いたいと涙を流すシズク。
「私にはケイ君の感情もいる方向もわかるのに… ケイ君には私が届かない… まるで片想いみたいだ…」と座りながらシズクは思う。
そんなとき、女子トイレの扉をたたく音が。
そこにはケイの姿があり、ケイはシズクに優しく手を差し伸べる。
「もう大丈夫。オレにも河野の感情が届いたよ。
河童化してるけど、渇いてないよ。さっき泉まで行ってきて、錬水いっぱい飲んできた。
やり方わかんないから、勝手に吸え。」
そう言ってケイはシズクと唇を重ねるのであった。
パッカ
正体がバレてしまったシズクは夜ケイを人間に戻して去ろうとしていた。
知古魂には初代からの記憶がずっと刻まれていて親から子へ受け継いでいくものだとシズクは語る。
魂を渡す時、宿主の記憶を持っていく。
つまりケイが人間に戻るとき、知古魂をシズクに返せば、ケイはシズクのことをほとんど忘れてしまい、シズクがこの先子どもに魂を渡したら、今度はシズクがケイのことを忘れてしまうのだ。
「恋なんてウソだよ。生き物はみんな、なるべくたくさんの相手と、なるべくたくさんの子孫を残そうとする。それがフツー。
たった一人と、ずっと一緒になんて、ホントはダメなんだよ。」
シズクはそう言ってケイと一緒にいることをあきらめようとしていた。
ケイはそんなシズクを後ろから抱き締めて
「それでもオレは河野といたい。
理由はわかんないけど、じいさんがなれなかった河童にオレはなれた。
このまま知古魂を共有し続ければ、雨も降らないし一緒にいられる。
恋がウソでワガママなら、ピッタリだろ?
オレは、ウソつきで嫌味っぽいエゴイストだからな。」
とシズクと共に河童として生きていくことを誓う。
ケイとシズクはタマキと合流する。
これからどうする?というタマキの問いにシズクは「ケイ君と生きたい。」と答える。
魂をつむいで伝えるのが河童の運命。
シズクは河童の里を捨て、そしてその運命も捨てることを選んだのだ。
そしてもう人間に戻れないケイ、シズク、タマキはこの場を去るためそれぞれ荷物を回収し深錬水の泉に集合することにした。
ケイが深錬水の泉に行くとそこにはもうシズクが来ていた。
ケイはシズクにもう一度「本当に河童がおこなってきた魂の継承を放棄していいのか?」と訊ねるがシズクは「私の魂は私のモノだもん。」と答える。
「…だよな。はは、真逆だな。魂をつながない伝えない河童。」
「えへへ、うん。逆だね。パッカだね。」
「は?」
「カッパの反対でパッカだよ!運命を断ち切る者パッカだよ!」
感想
ついに最終巻です。
ちょっと早い気もしますね。もうちょっと彼らの恋愛模様を見ていたかったです。
本当にひと夏の淡い恋愛という感じでした。
第5巻はケイとシズクの2人が他の人達に河童であることがバレてしまうところから始まります。
人間と仲良く暮らしていきたいと思っていたシズクにとっては自分の顔を見て悲鳴を上げられてしまったことにかなりショックを受けていたようです。
それでも自分が泣いたらみんなが加害者になっちゃうと涙をぬぐうシズクは本当に優しい女の子だなと思いました。
そして女子トイレに隠れるシズクを見事見つけ出し救ってあげるケイがカッコよかったですね。
今まではシズクだけが一方的にケイの感情などを知ることができましたが、シズクのことを好きだと自覚したおかげなのかケイもシズクの感情やいる場所が分かるようになったんですね。
しかし、知古魂のせいでこの愛は引き裂かれてしまうことに。
知古魂を渡すと好きな相手との記憶を盗られてしまうというのは悲しすぎますね。
ここで異種族の恋愛の難しさが出てきました。
人間はひとりの相手と一生をともにするのが当たり前のようですが、他の生き物にとってはそれはあまり重要ではなく、いかに子孫を多く残せるかが重要ですからね。
また、ここにきてタイトルの「パッカ」を回収してきました。
最初はただカッパの物語だから可愛い感じでこんなタイトルなのかなと思っていましたが、しっかり意味がありましたね。
今までの河童たちが受け継いできた運命とは真逆に生きていく、だからカッパの反対でパッカだったんですね。
なるほどと思っちゃいました。
そして最後の結末にはちょっと驚きました。
ハッピーエンドで終わるのかと思っていたのですが、そうではなかった。
最初から胸を締め付けるラブロマンスと言っていましたが、こういうことだったんですね。
最後のシズクのセリフに本当に涙がでます。
単行本の最後のページにある作者の言葉にもグッときました。
シズクは本当にケイのことが好きなんだなと再認識することができました。
普通の恋愛漫画に飽きた人や、切なく胸を締め付ける感じの恋愛漫画が好きな人はぜひこの作品を読んでみてください。
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おわり