本日はアラサー女子の究極の片思いストーリーをご紹介します。
少女漫画ですが、大人の女性はもちろん、男性の方にも読んでもらいたい作品です。
『こいいじ』(志村貴子)
全10巻
どんな内容?
主人公は下町の銭湯「すずめ湯」の娘・大原忠実(まめ)。
彼女は小学生のころから20年間ずっと片思いの相手がいます。
それは幼馴染の赤井駿の兄・赤井聡太である。
何度か告白するものの玉砕を繰り返しています。
聡太はまめが赤ちゃんのころにおむつを替えてあげた経験もあり、そのせいかまめのことを可愛い娘のように見ていて、恋愛対象に入らないようです。
聡太は学生時代、まめの姉・由芽(ゆめ)と付き合っていました。
しかし、ゆめは海外に旅立ってしまい、聡太はフラれてしまう。
ゆめの旅立ちを見送る際にゆめの親友・春子と出会い、その後結婚します。
物語は聡太の最愛の妻・春子が病気で亡くなり1年たったころから始まります。
アラサーになり、同級生が続々と結婚するなか、まめはいまだに聡太に片思いを続けていました。
聡太と春子の娘・優(ゆう)はまめになついていて、「優のママになって」と言ってくれますが、聡太にはその気はまったくありません。
そこに突然、ゆめ姉ちゃんの帰国。
動揺が隠せない聡太とそれを見てショックを受けるまめ。
まめは聡太のことをあきらめようと一人暮らしを始め、新たな恋を探し始めます。
しかし、長年こじらせた初恋はそう簡単にあきらめさせてはくれません。
まめの頑固な恋意地はどう決着を迎えるのか。
ここが魅力的!
少年少女の恋ではなく、アラサーの恋ということで、好きという気持ちだけでは簡単にいかないところがリアルで面白いところです。
大人になるとただ楽しい恋愛をするというのも大変なんです。
恋する気持ちはきれいなだけじゃないんですよね。
登場人物みんなが様々な恋意地をもっていて、それぞれ気持ちに向き合いながら前へ向いて進んでいくという感じです。
まめの一途な想いは読んでいて本当に応援したくなります。
「聡太、いいかげんまめと幸せになってくれ」って思っちゃいます。
しかし、聡太の春子に対する思いも読んでいて、胸が苦しくなってしまいます。
優もまめに新しいママになってもらいたい思いと聡太に春子のことを忘れてほしくないという思いに挟まれて悩んでしまうところもリアルに描かれています。
何気ない日常のなかで、相手を思い、自分の気持ちにも向き合っていく大人のリアルな恋愛を描いたとても面白い作品です。
おわり