カッパ室長です。
今回はヤングマガジンWebにて連載していたヤンマガKC『私のアリカ』第6巻の見どころや感想を書かせていただきます。
第5巻の紹介記事はコチラ↓↓
『私のアリカ』
原作:藤沢もやし
漫画:隈屑。
推しが好きすぎて自分もアイドルになっちゃう話 (1/14) pic.twitter.com/ky89n9ijha
— 隈屑。『私のアリカ』2巻7月6日発売!! (@kumakuzu2019) April 5, 2023
主な登場人物
宮嶋 ナナ
親友のアリカ失踪の謎を内側から探るためにオーディションに合格し、第3期生となった。
北条ルリの権力に対抗するため、ゆめと協力しりりかるトリックのトップを目指している。
仲間たちの協力によりアリカ失踪事件の真相を明らかにし…
真宮 アリカ
りりかるトリックの元センター。
神崎真世により階段から突き落とされ、ルリたちに埋められてしまう。
その後、生き延びたアリカはルリをドラッグから救おうとするが…
現在も行方不明。
北条 ルリ
りりかるトリックの現センター。
りりかるトリックを支配し、メンバーやトレーナー陣もルリの言いなり状態となっている。
アリカについて探っているナナを疎ましく感じており、ナナを辞めさせるため裏で様々な手をまわしている。
アリカを埋めた主犯格で、ドラッグ中毒であることが判明。
小笠原 ゆめ
りりかるトリック第3期生。
“りりトリ”のプロデューサーである乙川の曲のファンで、自分ならもっと乙川の曲を活かせると思いりりかるトリックに入った。
当初はナナを嫌っていたが、今では良きライバル関係になり切磋琢磨している。
天賀谷 ちひろ
りりかるトリック第1期生でリーダー。
ライブ中にアリカを突き落とした犯人として怪しまれていたが、ナナに知っていることを全て話し、アリカを捜す手伝いをしてくれるが…
藤間 えみり
りりかるトリック第1期生。
ナナの協力者のフリをして、実はルリに情報を流したりナナに嘘を吹き込んでいた。
ルリと一緒にアリカを埋めた共犯者。
神崎 真世
りりかるトリック第1期生。
パワーストーンなどのスピリチュアルなものにハマっていて、普段はやる気はないがダンスのポテンシャルはりりかるトリックで一番。
広報担当の沢渡と付き合っているが、沢渡がアリカばかり注目するようになり、嫉妬からアリカを階段から突き落としてしまう。
盛田、山本、高橋
ナナとともにアリカ失踪の謎を追うドルオタ三人衆。
高橋は「キャスパー」の中の人であることが発覚。
第6巻の見どころ(ネタバレ注意)
乙川の秘密
アリカを突き落とした犯人は神崎真世で、北条ルリたちによってアリカは赤坐山に埋められた。
しかしナナたちがその場所を掘り返してみてもアリカの姿はなく、アリカの生死や行方は分からないまま、ナナたちは日常に引き戻されてしまうのであった。
その後、ナナは高橋からアリカが“りりトリ”のプロデューサーである乙川人生の個人事務所に乙川と二人で入っていく姿が目撃されたという情報を聞く。
乙川は自分たちが知らないアリカを知る最後の砦かもしれないと高橋は語る。
そして新曲の事で乙川から直接会って話がしたいと言われていたナナは、これを機に乙川から真相を探ろうとする。
すると、乙川はナナにある秘密を明かすのであった。
ナナのライブ、そして…
ライブまでもうすぐだというのにルリは休養し、真世はずっと家から出て来ず、えみりもライブに出る気はないと言い、グループ自体が空中分解寸前でライブは中止になるかもしれないと言われる。
ナナはファンの人にお礼がしたいし、ゆめをがっかりさせたくないとライブを諦めたくない気持ちを天賀谷ちひろに語る。
するとちひろが「私がなんとかするから」と言ってルリたちを説得して回ってくれた。
その結果、ルリたちがライブに出てくれて見事ライブは大成功を収めるのであった。
ライブ後、ナナは高橋たちからナナの自宅にあったアリカが届けたと思われる手紙を受け取る。
内容はりりトリに入ってからの思い出話などの他愛もない事しか書かれておらず、アリカが今どこで何をしているのかは分からずじまいだった。
しかし、ナナはこの手紙からあることに気づいてしまい…
感想
今回で『私のアリカ』も完結を迎え、アリカ失踪事件の本当の真相やアリカの居所などが明らかになりました。
第5巻ではルリたちに埋められ、その後アリカの手が地面から出てくる描写がありました。
それを見て私は自力で這い上がるのは無理でしょと思っていましたが、アリカは普通に自力で地面から出てきていました。
そして田名崎マネージャーに助けてもらった後、アリカは自分で行方をくらませていました。
あのまま田名崎に匿ってもらっていたら殺されていたし結果的に良い判断だったみたいですね。
乙川がナナに打ち明けた秘密、それは「りりトリの曲の作詞はアリカがしていた」ということでした。
てっきり乙川がアリカを匿っている、もしくは監禁しているのかと思っていたのですが違いましたね。
天才っぽい見た目の乙川はただの子供部屋おじさんで、作詞の才能があったのはアリカでした。
アイドルとしても完璧で、作詞もできるアリカが凄すぎますね。
というかりりトリはアリカがいないと成り立たないアイドルだったのに、みんながアリカを消そうとしているのが酷すぎます。
アリカは自分のためではなく、みんなのために一生懸命動いていました。
作詞の件もそうですし、ルリをドラッグから救おうとしていたことも。
アリカがルリにドラッグを辞めさせたかったのは、アリカの母親もドラッグ中毒でその大変さが身に染みて知っていたからでした。
母親と感動の再会を果たしたと思いきや、やっぱり母親はドラッグを辞めれてなかったという話はマジで可哀想でしたね。
そしてライブのあと、ついに事件の真相が明らかに。
この事件の真の犯人はまさかの天賀谷ちひろでした。
ルリたちに埋められた後、生き延びたアリカはちひろに協力を仰ぎ、ルリをドラッグから救おうとしました。
しかし、それだとルリがドラッグを使用していたことが世間にバレてしまい、ルリのアイドル人生が絶たれてしまうと思ったちひろはアリカを船から突き落としてしまったというのが事件の真相でした。
ちひろはルリのためにアリカを海に落としたんですね。
実はルリもちひろのためにも色々行動していました。
アリカを埋める際にちひろを呼ばなかったのはちひろを共犯者にしないようにするためで、ちひろは自分の分も輝いていてほしかったからという思いがあったんですね。
ちひろもルリもお互いのことを思って行動していたけど、結局最悪の結果になってしまったようです。
というかそれに巻き込まれたアリカが本当に可哀想。
アリカはただみんなを幸せにするためにアイドルをしていただけなのに、周りがクソみたいな人しかいなかったせいでこんな酷い目に遭ってしまったんですね。
最終話ではナナはアイドルを辞め、地元で暮らしていました。
今度こそ死んだと思われたアリカもなんとか生還し、母親のドラッグ中毒を治すため一緒にお寺で暮らしていました。
本編では結局ナナはアリカと再会できずに終わってしまいます。
ですが単行本の描きおろしページで二人は再会できていたので一応ハッピーエンドという形にはなったのではないでしょうか。
あと最終巻でナナの本名が「虹」だと分かり、新曲『雨上がりは虹になる』というのもナナのための歌だということが分かる感じがとても良かったし、最後に虹がかかる演出も最高でした。
サスペンスものとしてとても面白い作品だったし、アイドルの過酷さや闇深さを知ることができました。
藤沢もやし先生、隈屑。先生の次回作も楽しみに待っていようと思います。