こんにちは、こんばんは!
カッパ室長です。
今回はやわらかスピリッツにて連載されている『怪異と乙女と神隠し』を紹介させていただきます!!
※ネタバレを含むのでご注意ください。
『怪異と乙女と神隠し』
著者:ぬじま
口調が漢っぽい姉的な女性と、糸目の可愛げが無い小僧が変なモノに遭う話 1/11 pic.twitter.com/KB3SReuJJN
— ぬじま (@NJ_Kilroy) April 10, 2020
目次
どんな内容?(ネタバレ注意)
ミステリアスで様々なフェチに突き刺さる現代怪異ロマネスク
首都圏のとある街の書店で、書店員の緒川菫子は同僚の化野蓮と都市伝説の話題で盛り上がっていた。
そこへ他の同僚がやってきて菫子に誕生日プレゼントと称して「逆万引き」の本を手渡すのであった。
逆万引きの本とは、文字通り万引きの逆の行為で盗まれるのではなくいつの間にか増えている出所不明の不気味な本のことだった。
菫子は15歳の頃、文芸クラブで書いた小説が新人賞を受賞し、書籍デビューした作家だった。
しかしその後は上手く小説を書くことができず、深夜0時をまわり28歳となった今、菫子は「ただの人」になってしまっていた。
15歳の頃に戻りたいと願う菫子は持って帰ってきてしまった「逆万引き」の本を開き、月明かりの下、中に書かれていた若返りを願う万葉歌を口ずさんでしまう。
すると菫子の体はどんどんと若返っていき、15歳の姿に戻ってしまう。
それから菫子は音信不通となり失踪してしまうのであった…
感想
この作品は小説家志望の緒川菫子と見た目は少年なのに妖しさ満載の謎多き化野蓮のコンビが街で起きる怪異に挑んでいく【怪異】と【少女】と【性癖】が突き刺さる現代怪異ロマネスクです。
菫子が逆万引きの本を手にしたことから同僚の化野とともに様々な怪異な事件に関わるようになっていきます。
童顔糸目で謎が多い化野蓮が怪異を追いかけている理由がこの物語の肝になっています。
物語が進むにつれ、徐々に彼が何者なのか、なぜ怪異を追っているのかが判明してきます。
この作品は怪異や都市伝説などのホラー要素がありますが、がっつりホラーというわけではありません。
菫子たちとの日常などでしっかりと笑えるシーンもありますし、時折見せるデフォルメされた乙ちゃんの顔などがとっても可愛くて癒されます。
ですが、怪異と対峙したときなどの緊迫したシーンは迫力満点で見ごたえ抜群です。
怪異はとても強敵ばかりですが、仲間たちもそれぞれ力を宿していて、それを駆使して挑んでいくところがとても面白いです。
この作品はヒロインがとても魅力的です。
ヒロインの緒川菫子は28歳の巨乳お姉さん。
太眉で泣きボクロもある、化野くんの言葉で言うなら「太短眉ふかふか恵体女」です。
小説家志望なだけあって文語調のような特徴的な喋り方もします。
これは是非単行本を買って確認してもらいたい!
様々なフェチを刺激するようなヒロインです。
巨乳や年上の女性はちょっと…と思っている人もいるかと思いますが大丈夫。
菫子さんは若返りの怪異“月読の変若水”の影響で、呪いが解けた後も自在に体の年齢をコントロールできるようになっているため、幼女の姿や女学生の姿になったりします。
ひとりで様々な需要を網羅しちゃっています。
この作品は菫子さんだけでなく、乙ちゃんや畦目先生など可愛いキャラクターはたくさん登場するので、どれかは絶対に好みに当てはまる子がいることでしょう。
これから菫子と化野兄妹はどんな怪異に関わっていくのか。
そして化野蓮の目的は達することができるのか。
目的を達した後、彼らはどうなっていくのか。
この作品に興味を持った人は是非一度読んでみてください。
各巻のあらすじ紹介
第2巻 学校に潜む“影をなめる”怪異の正体
化野蓮の妹・乙が通うコオネ女学院で起きている不可解な事件『ヨダレカケ』の調査をするため生徒に変装し潜入する菫子。
「ヨダレカケ」とは垂れ流す大量のよだれを合図に、突如として生徒の体が火のように熱くなり昏倒する現象だという。
その現象を引き起こした犯人は牛鬼の親玉でまつろわぬ民の“族霊”塵輪鬼という怪異の力を宿していた。
菫子たちは犯人に説得を試みるも、犯人の攻撃により重傷を負ってしまう。
蓮は犯行を止めるため奥の手を使うのだが…
その後、蓮が用事で出かけるため、乙を預かることになった菫子。
二人で銭湯に行くことになり…
第3巻 雨夜の怪異を追って雨の夜を駆ける
雨の夜、乙はドアをノックする透明なナニカに遭遇した。
そして「雨の夜に現れる赤い服の子供」を探す女性・早見シズクと出会う。
雨夜の怪異“紅衣小女孩”に親友のトモコを拐かされたシズクのため、乙と菫子はトモコの捜索を開始する。
トモコが行方不明になる直前の動画の日付をもとに行方不明者や失踪事件を調べていくと、雨の日に行方不明者が失踪したとされる日に過去の行方不明者の遺体が見付かる組み合わせが数件見つかった。
誰かが消えると誰かが見付かる、まるでリレーのように。
そして菫子はここから導き出される一つの結論にたどり着くのであった。
第4巻 現代のデジタル怪異!?
20年前、幼い菫子が経験したお話。
菫子は友達とケンカをした帰り道、フェンスの穴から続く道を進んでいくと、そこには一軒の本屋があった。
中にいたのは変な女店員と大量の本たち。
そこで本を読むことに夢中になった菫子は女店員とも仲良くなっていく。
そして女店員に口下手なことが原因で友達とケンカをしてしまったことを相談すると、女店員は菫子にあるアドバイスをするのであった。
乙の友人でアイドルを夢見る天地のどかは大好きな人気VTuber「姫魚よるむん」が引退したというニュースを見てショックを受ける。
しかしその夜、突然のどかのタブレットが起動し姫魚よるむんの配信が始まる。
よるむんに応援され夢に向かって頑張るのどかであったが、徐々にその顔はやつれていき…
第5巻 怪異のヌシ“猫の王”の襲撃
菫子と蓮の前に突如現れた巨大な猫たちと「猫の王」。
猫の王はこの土地の『ヌシ』で<神>と<妖怪>の間を揺れ動いている、いわゆる<真怪>というものだった。
怪異を消し、呪物を切符に替えている化野兄妹を消すため猫の王は襲撃にきたのだ。
巨大猫の攻撃で蓮は重傷を負ってしまい、化野兄妹はかつてないピンチを迎える。
そんなとき菫子の前に早見シズクが現れ、菫子と新タッグを結成し「猫の王」が秘す謎に挑んでいく。
ふたりが猫を探して回っていると、町内会の掲示板に異常な数の迷い猫のビラが貼られていることに気づき…
第6巻 みんなで花火大会!
猫の王・すずの帰る場所を見つけ出すことができ、迷い猫事件は無事解決した。
そして復帰した蓮のため、女性陣みんなで浴衣を着て花火大会へ行くことに。
菫子の浴衣姿を堪能する蓮であったが、花火の音で過去の出来事を思い出してしまう。
さらに蓮の体はもうボロボロで、楔が消えて存在が消えてしまいそうだった。
そんな蓮のために菫子がとった行動とは…!?
コンビニでバイトをする青年・友安は突然幼女になった客を見た日の帰り、自販機でジュースを買おうとしたところ謎の空間に迷い込んでしまう。
奥へ進んでいくとそこにはウサギの着ぐるみを着た謎の少女が…
他にもイヤなことから逃げ出してこの場に辿り着いた人間がたくさんいた。
ここはダメ人間が集まる“鼠浄土”だったのだ。
第7巻 帰還不能の“怪異駅”に挑む
菫子や蓮と同じ書店でバイトをしている高校生小説家の三輪氷彗。
彼女は他の人間には見えない小指の赤い糸に囚われていた。
三輪は学内一の奇人で“怠惰な天才”・葛葉純に誘われ街で噂の怪異踏切の調査へ向かう。
そこで幽霊列車を目撃した三輪たちであったが、突然糸が三輪を列車の中に引きこもうとし、三輪を助けようと葛葉が犠牲になってしまった。
葛葉を助け出すため三輪はオカルト愛好家の荒須田の助言で大師匠と呼ばれる人物に助けを乞うことに。
その大師匠とは蓮のことで、蓮はこの事件が怪異駅“きさらぎ駅”に絡む話だと推測し、葛葉救出の手助けを始める。
葛葉が生きて戻る方法はただ一つ。
「駅のルールを守った者だけが生還できる。」
第8巻 化野蓮と乙の過去が明らかに
葛葉純を救出する際、葛葉を助けてくれた狐面の男が持っていたジッポは蓮が過去使っていたものだった。
自分を追う何者かが現れたと知った蓮は協力者のタナカのもとへ行くが、彼はこの土地の担当から外されていた。
そのため蓮は「怪談師」の藤林霞を頼ることに。
彼女はこの世界にやってきた蓮と乙を保護し、言葉や怪異を教えてくれた蓮の師匠的存在だった。
蓮はジッポのことや断片的に思い出した記憶の話を彼女にし、そして自分が「妹を守れなかった」という無念と後悔の残留思念の塊の怪異“アダシノレン”であると告白するのであった。
乙は蓮に遊びに行く約束を破られ、さらには友達とも都合が合わずに一人寂しい思いをしていた。
そして乙は一人で水族館へ行くことに。
するとそこに元・猫の王のすずがいて…
おわり