カッパ室長です。
今回は路草で連載中の漫画 路草コミックス『雷鳴りて春来たる』の第1巻を紹介させていただきます。
※ネタバレを含むのでご注意ください。
『雷鳴りて春来たる』
著者:烏目松
(2/12) pic.twitter.com/6Yq7uSY5Yn
— 烏目松:8/7コミックス1巻発売 (@umematsu_com) February 21, 2024
どんな内容?(ネタバレ注意)
大正時代の女学生が令和にタイムスリップ!?
大正十二年(1923年)、春。
女学生の島津ハルは父親に卒業後は職業婦人になって自分の力で賃金が得たいと進言する。
しかし父親はこれに反対し、ハルに見合いをしろと勧めてくる。
自分の話に聞く耳を持たない父親に怒ったハルは父親と喧嘩になり家を飛び出す。
そしてハルが橋の上で「どうか私の道行きをお示しください!」と神頼みをすると、雷に打たれてハルの姿は消えてしまうのであった。
令和五年(2023年)、春。
買い物帰りの男子高校生・星谷青太が橋を渡るとそこに突然雷とともに横たわるハルが現れた。
ハルは青太と姉・朱里に保護され、ここが100年後の2023年の東京であることを知るのであった。
困惑と絶望するハルであったが、そこに青太たちの祖父母が謎のスーツケースを持ってやってくる。
祖父は藤葵高校の理事長で、スーツケースは理事長室に代々伝わるものだと言い、開けてみると中には『島津ハルをよく学ばせよく遊ばせよ』という内容の手紙や藤葵高校の制服、滞在費代わりの金の延べ棒が入っていた。
さらに手紙の内容的にハルは元の時代に戻れる可能性が出てきた。
ハルは手紙の指示に従い、「自分の進むべき道」を見つけるため、100年後の学校で100年後の信条を持った人々とともに学ぶことを決意するのであった。
感想
この作品は大正時代の女学生が令和の東京にタイムスリップし、100年後の世界で学び遊んで自分の生きる道を見つけていく物語です。
ヒロインである島津ハルは自分の力で賃金を得たり、何かを成したいと思っています。
しかし大正時代では女性は旦那に尽くすのが一般的で、ハルのような考えは良く思われていませんでした。
大正時代でも職業婦人という社会で働く女性は出てきていますがまだ少数で、昭和の終戦後あたりから女性の社会進出が増えていくようです。
そんなハルが橋の上で雷に打たれ、令和の東京へとタイムスリップしてきます。
そして様変わりした東京、今までとは違う常識に驚かされていくという感じです。
我々読者が当たり前に思っているものもハルにとっては斬新なものでとても良いリアクションをしてくれます。
あとハルが感動した時に言う「スペだわ!」がとても可愛いです。
気になるのは藤葵高校の理事長室に代々伝わってきたと言われるスーツケースを残した人物は誰かということ。
このスーツケースを残した人物はハルがタイムスリップしたことを知っている人物ということですよね?
今のところ私はタイムスリップから戻ってきたハルが用意したのではないかと予想しています。
令和から大正時代に戻ってきたハルがその後藤葵高校の理事長となり、未来へタイムスリップする自分が困らないように手紙を残したのではないでしょうか?
手紙に書いてあった『ハルによく学びよく遊ばせよ。さもなくば当校は破綻すると心得えれよ』というのもハルが藤葵高校に入学し様々な経験を得ないと、大正時代に戻ってから藤葵高校が創設されないからではないでしょうか?
タイムパラドックスを防ぐ為の手紙だったのかもしれませんね。
令和で使用されている制服が入っていたのも、ハルがタイムスリップから戻ってきた時に着ていたものということで説明がつきます。
となると、ハルは令和での高校生活の経験を活かしてだいぶ凄い人物になったのかもしれませんね。
高校生活では無事に友人もでき、楽しい日々を送るハル。
ハルは青太だけでなく香椎悠那や波多麻梨花、青太の友人の柳にタイムスリップしていることも明かしています。
彼女たちが今後上手くハルをフォローしつつ、ハルに令和の娯楽を教えてくれそうですね。
しかし柳が若干ハルに当たりがキツいのが気になります。
柳はハルが周りに迷惑をかけて自分は楽しんでいるというのが気にくわない様子。
というか柳は青太のことを心配している感じがしますね。
青太には何かツライ過去とかあるのかも…
それと恋愛面も気になりますね。
順当な流れでいくとハルと青太が恋仲になりそうですが、どうなるのか。
恋人同士になってもハルは過去に戻ることになるから悲しい結末になってしまいそう。
どんな感じに描かれていくのか楽しみですね。
物語はまだ始まったばかり。
これからハルがこの現代でどんなことを学び、そして「自分の進むべき道」を見つけていくのか。
次の巻ではハルたちがどんなことをするのか楽しみです。
おわり