今回紹介する漫画は『壁ドン!』です。
となりの部屋がうるさいから壁を殴るアレとか、男性が女性を壁際に追い詰めるアレではありません。
この作品は壁を登るスポーツ”ボルダリング”がテーマの漫画となっています。
『壁ドン!』(佐久間 力)
どんな内容?
ボルダリング(bouldering)とは、高さ5メートル程の壁や岩を最低限の道具(チョークとシューズ)だけで登るフリークライミングの一つである。
主人公の大野会心(おおの かいしん)は痩せ型の体がコンプレックスな少年。
中学時代は空気のような存在で、小説投稿サイトに小説を投稿する超インドア男子です。
黒桜学園高等学校の入学式の日、学校に早く着き過ぎてしまった会心は、執筆活動をするため一人屋上に行きますが、そこで夕方まで寝てしまい屋上に閉め出されてしまいます。
別棟のドアが開いているのに気がついた会心は危険だが壁を伝って向こう側へ渡ろうとします。
しかし渡っている途中で足を滑らせてしまいます。
会心は転落死しそうになったところを同級生の天才ボルダリング少女・夏目登姫(なつめ とき)に救われます。
登姫はテレビでも紹介されるほど世界で注目の天才クライマーでこの日も一人ボルダリングの練習をしていました。
黒桜学園では在校生の中から金メダリストを出すため、校舎の至る所にボルダリングの練習場を作るほど力を入れています。
会心はコンプレックスであった自分の体型がクライマー向きだと褒められるが、今まで困難な道を選ばず逃げてきた会心は自分には無理だとまた逃げてしまいます。
アニメの主人公に憧れてサッカークラブに入ったけれど、ついていけず辞め、漫画を描こうとしたけれど絵が上達せず投げ出し、文字だけならという浅はかな考えで小説に逃げていた会心には登姫の姿がまぶしすぎました。
しかしその夜、小説投稿サイトで会心の小説の唯一のファンからコメントから来ているのに気づきます。
その相手は実は登姫だったのです。
「新しいキミに出会いたくはないか?」
その言葉に心を動かされた会心は、この腐った日常から抜け出し、新しい自分に出会うためボルダリングを始めることを決意するのでした。
ここが魅力的!
最下位男子が人生大逆転をかけ挑戦する本格ボルダリング漫画です。
最近人気のスポーツ「ボルダリング」がテーマのこの作品。
オリンピックの種目にもなりボルダリングも知名度が上がってきましたが、具体的にどのようなスポーツなのか知っている人って少ないのではないでしょうか。
この作品は主人公の会心も初心者のため、読者も会心と一緒にボルダリングの知識を学べるようになっています。
部員は入部テストで生き残った会心を含めて3名のみ。
会心と登姫と猿橋樹(さるはし いつき)。
猿橋は小さい体ながらも男らしく直感で登っていくタイプのようです。
対して会心は登り始める前にしっかりシミュレーションするオブザベーション重視のタイプです。
ボルダリングは自由に登ることができるため、個性が出て面白いですね。
オリンピックを目指し、必死に練習を重ねる会心。
果たして、なんにでも逃げていた男は壁を乗り越え、新たな自分に出会うことができるのか。
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おわり